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【事件・子ども】性暴力ゲーム、規制議論を

 少女らをレイプして妊娠・中絶させる内容の日本製のゲームソフトに、国際人権団体「イクオリティ・ナウ」が抗議活動を始めたのを受け、横浜市のメーカーや大手販売サイトがこのゲームの販売を取りやめた。

 ただ、女性を監禁してレイプする同種のゲームは国内で多く出回っており、専門家は「このゲームは氷山の一角」と指摘している。

同種ソフトネットで大量流通
 問題のレイプゲームは、横浜市のゲームソフトメーカーが制作し2006年から販売していた。未成年とみられる少女2人とその母親を地下鉄車内で痴漢した後、監禁し、妊娠や中絶に至るまでを疑似体験するというパソコン用ゲーム。暴行を重ねるほど得点が得られる仕組みで、レイプという犯罪をゲームとして楽しむ内容が、英国の国会でも問題視された。 「イクオリティ・ナウ」の理事で弁護士の角田由紀子さんは、「メーカーが販売を中止したことは歓迎するが、特定のゲームだけが問題なのではない。類似の商品が多い状況は変わらない」という。

 レイプなどの女性への性暴力を繰り返すゲームは、ほかにも大量に流通している。問題となったゲームが抗議活動のターゲットとなったのは、「タイトルに『レイプ』という言葉が含まれていて、外国人にも内容が一目りょう然だったため」と、福島大准教授の中里見(なかさとみ)博さんはいう。

パソコン用ゲームのメーカー235社が加盟する一般社団法人コンピュータソフトウェア倫理機構(東京)は、1992年から加盟社が製造・販売するゲームソフトの自主的な審査を行っている。審査で問題のある表現が見つかった場合は、機構がメーカーに削除や修正を指導するが、問題のゲームはこの審査をパスして販売されていた。

 同機構は審査基準を公表していないが、「刑法や児童買春・児童ポルノ禁止法など関係法令に抵触しないようにしている。加えて、社会的な許容範囲を超えないよう自主的に規制している」と説明する。

 ただ、性暴力を扱った商品が問題となることがこれまでにもあり、「どういう自主規制をすれば社会的に許容されるか、検討すべき課題だと思う」とする。

 インターネットで国を越えて情報が流通するなか、子どもを性的に描写した児童ポルノの扱いが国際的な問題になっており、米国や英国などは漫画やコンピューターグラフィックス(CG)の画像なども含めて製造や販売を禁止している。一方、日本ではCGを使ったパソコン用ゲームなどのバーチャル(仮想的)なポルノは禁止していない。

 児童ポルノなどの問題に詳しい日本ユニセフ協会の中井裕真さんは、「かつては裏の世界で流通していたものが、インターネットでオープンに売買されるようになり、子どもの目にも簡単に触れるようになった。特殊な世界の話ではなくなっており、規制のあり方について広く議論する必要がある」と指摘する。

2009年5月13日  読売新聞

http://www.yomiuri.co.jp/net/security/s-news/20090513-OYT8T00357.htm

 
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